面会交流は「もめる離婚」となるかどうかの試金石になる? 2017/3/8

コラム122(圧縮)

夫婦が離婚して,または離婚前でも別居して暮らす場合に,子どもとも別居することになった親が子どもと会うのが「面会交流」です。
以前は「面接交渉」という言葉が使われていましたが,今では「面会交流」という言葉の方が一般的です。
最近,この面会交流にまつわる調停や審判,裁判などが増えていると言われています。

面会交流に関する民法の規定は何とも素っ気ないです。
どのように決められるべきかについては「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」との一文があるにとどまります。
子どもの利益を最優先すべきは当然なのですが,つい5年ほど前までは,この定めすらありませんでした。

ただ,何を以て「子どもの利益を最優先」していると言えるかは必ずしも明らかではありません。
そもそも「子どもの利益」とは何かについても実はよくわかりません。
そのため,面会交流について争いがある場合に互いに自分の主張こそが「子どもの利益」に叶うと訴えているケースも少なくありません。

なかでも厄介なのが「子どもの意思」が問題となる場合です。
中学生や高校生になってくると子どもの意向でほぼ全て決まってくると言えますし,反対に,未就学の児童であれば基本的には子どもの意思で決めるようなことはありません。
悩ましいのが,その間の時期である小学生で,もちろん成熟度の違いは子どもによりますので一概には言えませんが,この年齢の子どもの意思をどれくらい考慮するかは裁判官や家庭裁判所調査官,調停委員によってずいぶん異なります。
勘違いされている方もなかにはいらっしゃるのですが,小学生の子どもがただ単に「嫌がっているから」と言って面会交流が当然に否定されるわけではありません。
残念ながら子どもが嫌がるように働きかける親もいますし,そうではないとしても親の気持ちを汲み取って本意ではなくとも嫌がる素振りをみせる子どももいます。
そのようなケースが少なくないという見立てが裁判所にはあり,なぜ嫌がっているのか,同居中の関係はどうだったのか,といったことが問われることになります。

この面会交流で揉めるケースかどうかでその後の展開は大きく変わり得ます。
ここで揉めるようですと,どうしても感情的な対立が高まり,まとまるべき話もまとまらないことになります。
もちろん正当な理由があって面会交流に応じがたい事案もありますが,弁護士としては,この依頼者の面会交流に対するスタンスが大きな関心事となります。

弁護士 大川 浩介

 

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