結婚式を挙げた方が離婚率が減る? 2016/5/24

 

コラム 50 結婚式を挙げた方が離婚率が減る?   2016/5/24

 

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「アニヴェルセル」という会社が,結婚式と離婚にまつわるインターネット調査の結果を報告しています。
30代では「結婚式・披露宴(会食)共に開催した」が56.9%,「結婚式だけ挙げた」10.4%,「何もしなかった」が26.0%であると。

これが20代では,それぞれ,49.6%,2.2%,40.9%という数字だったとのことで,結婚式を挙げずに結婚している割合が,20代が30代の1.5倍に及ぶことになります。

そして,20代,30代を合わせて,離婚歴がある人の割合別でみると,「結婚式・披露宴(会食)共に開催した」が13.4%であったのに対し,「何もしなかった」が実に82.4%という際だった特徴がみられたというのです。

このデータから,若い世代ほど「結婚式離れ」が進んでいる傾向が見えるが,結婚式を挙げることは離婚率の低下につながると結論づけています。

この調査を実施した会社がウエディング事業を営んでいることからすると,何とも好ましい結論ですが,あまり厳密な分析ではないように思われます(このことは「婚礼衣装を着て記念撮影をした」だけの方が離婚歴のある人の割合がもっと少ない(2.8%)こと一つとってもうかがえます)。

ただ,結婚式を挙げた方が,お金もかけたし,たくさんの人に列席してもらったから,離婚したいと思っても離婚しづらい,という面は少なからずあることでしょう。これが離婚を躊躇わせて夫婦の危機を乗り越える力となることもあるでしょう。

また,結婚式を計画する過程で破談するケースもあります。結婚式という一大イベントを催すためには多くの選択・決断が必要となります。それを通して相手方の思ってもいなかった面が見えてきて,結婚自体を取りやめることもあります(破談になったためキャンセルになることも少なくないという話をブライダル関係の方から聞いたこともあります)。結婚式に親御さんがお金だけでなく口も出すことによって親も交えた対立へと発展して破談へと至るケースも多いようです。

結婚式を「無事」挙げた夫婦は,この最初の試練,テストをクリアしたと言えるわけであって,その分だけミスマッチのまま結婚するリスクは減るということは言えそうです。

以前,婚前の海外旅行のお話をしましたが,結婚式を挙げることもまた,その過程を通じて今後の結婚を占う試金石になりうるように思います(高く付きますが)。

弁護士 大川 浩介

 

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