4件に1件は男性が被害-大阪府警のDV被害件数- 2016/10/14

 

コラム 87 4件に1件は男性が被害-大阪府警のDV被害件数- 2016/10/14

 

コラム87.jpg

今年の上半期(2016年1月~6月)に大阪府警が認知したドメスティックバイオレンス(DV)の被害件数は4286件,その約25%にあたる1061件が男性を被害者とするDVだという統計結果が発表されました。4件のうち1件は男性のDV被害ということになります。全国的には,男性被害の割合は12%(2015年)と大阪ほどではないですが,それでも増加傾向にあるそうです。

以前のコラムでも取り上げましたが,離婚相談の中で,男性のDV被害にもたびたび遭遇します。
コラム 13 DVの被害者は女性だけではありません~男性のDV被害~ 2016/1/15

私が耳にする男性のDV被害はある程度深刻な部類のものが多いです。(おそらく,夫が妻から殴られたような場合であっても単発的であったり軽度であるものは,男性はわざわざ口外しないことが多いせいもあると思います。)
日常的な暴力と脅しで妻に精神面で完全に支配されており,私との相談中も妻からの「今どこで何をしているかすぐに返事しろ」というメールや電話が何度もきているという男性もおられました。

自分で収入を得ている男性ならば,そのような家庭から逃げれば良いのでは?と思われるかもしれませんが,それが出来ないのです。
逃げたら子どもとは二度と会わせない,逃げたら会社に手を回して勤められなくしてやる,逃げたらあることないこと会社に言ってやる,世間にはお前が私にDVをしていたと言ってやる等々,普段からこのような類の脅し文句を言われており,「逃げたら大変なことになる」とすり込まれているのです。
このような支配の構造は,DV被害者が女性であっても男性であっても何ら変わりません。

4件に1件が男性被害者というこの統計,私も一見「そんなに多いの?」と思いましたが,私自身が取り扱ったDV関連の案件をよくよく思い起こしてみると,わりとリアルな数字でした。

弁護士 辻 祥 子

 

バックナンバーはこちら>>

The following two tabs change content below.
姉小路法律事務所

姉小路法律事務所

姉小路法律事務所は,離婚,慰謝料,相続・遺言などの家族関係・親族関係の紛争(家事事件)に力を入れている京都の法律事務所です。なかでも離婚・慰謝料事件は,年間300件以上の相談をお受けしており,弁護士代理人として常時数十件の案件を取り扱っております。弁護士に相談するのはハードルが高いとお考えの方も多いかもしれませんが、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。男性弁護士・女性弁護士の指名もお伺いできますのでお申し付けください。 |弁護士紹介はこちら