コラム 169 退職金と財産分与 その②-退職前の退職金はいくらを分与するのか?- 2017/10/5

 

 

 

 

コラム167「退職金と財産分与 その①」において,裁判所が退職前であっても退職金を財産分与の対象とする判断をする場合があることを説明しました。

 

では,その場合,分与額をどのように算定するのでしょうか?また,いつ分与させるのでしょうか(離婚時or退職時)?

 

この点,過去の裁判例には様々なものがありますが,最近は,以下のような判断内容が定着しつつあります。

 

【分与額】
別居時点に自己都合退職した場合の退職金額×同居期間÷別居時までの在職期間×分与割合(原則0.5)

 

【分与時期】
離婚時

 

具体的な例で算出してみますと…

 

夫53歳,22歳から地方公務員として勤務,32歳で結婚
妻48歳,専業主婦
1年前(夫52歳)から別居
別居時に自己都合退職した場合の退職金900万円

 

この設例ですと別居時点での夫の在職期間は30年,同居期間20年なので分与する退職金は
900万円×20年÷30年×分与率(0.5)=300万
⇒夫は300万円を妻に分与する

 

具体例では,計算を簡便にするために同居期間や別居までに在職期間を年単位としましたが,実際の裁判では,より厳密にするために月単位で算出することが多いです。

                                            

                                                     弁護士 辻 祥子

 

バックナンバーはこちら>>

 

The following two tabs change content below.
姉小路法律事務所

姉小路法律事務所

姉小路法律事務所は,離婚,慰謝料,相続・遺言などの家族関係・親族関係の紛争(家事事件)に力を入れている京都の法律事務所です。なかでも離婚・慰謝料事件は,年間300件以上の相談をお受けしており,弁護士代理人として常時数十件の案件を取り扱っております。弁護士に相談するのはハードルが高いとお考えの方も多いかもしれませんが、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。男性弁護士・女性弁護士の指名もお伺いできますのでお申し付けください。
姉小路法律事務所

最新記事 by 姉小路法律事務所 (全て見る)