コラム 186 どのような面会交流がふさわしいか-正解のない作業- 2019/02/07

 

 

コラム20190206

これまで何件も面会交流の取り決めに関わってきましたが,面会交流のとりきめに際してはいつも独特の難しさを感じています。

 

民法766条1項では面会交流などの子の監護に関する事項を取り決める際には「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とされています。
しかしながら,面会交流について取り決めをする当事者は子どもではなく父と母なので,子どもの意見がストレートに反映されるわけではありません。残念ながら,子どもの気持ちとはかけ離れた内容の取り決めがなされてしまう可能性も否定できません。

 

では,面会交流の取り決めに際して子どもの意見を全面的に採用してよいかというと,そういうわけでもありません。
ときどき「子どもが会いたがっていないから」と面会交流に消極的な態度を示す親がいます。しかし,この「会いたがっていない」の意味は千差万別です。

 

・面会を心底イヤがっている場合(過去に虐待があった場合など)
・一緒に住んでいる親の意向を無意識に汲んでいる場合
・どのような顔をして会ったらよいか戸惑っている場合
・特に興味がない場合(友人との付き合い,部活動などで忙しい)

 

このように「会いたくない」「別に会わなくてもいい」と子どもの言葉には色々な意味があります。単に子どもが「会いたくない」と言っているからといってもう一方の親との交流の途を断ってしまってよいわけではありません。
一緒に生活をしている親は,「子どもの成長にはどのような面会交流がふさわしいか」を,子どもの意見を参考にしつつも,子ども本人とは別の保護者としての観点から考えていく必要があります。

 

また面会交流を通じて,離婚した相手との接触の機会を持たざるを得ないことも面会交流の難しさの一つです。
離婚の原因はそれぞれですが,中には,相手の顔を思い出すだけでもイヤだという場合もあります。このような場合には,離婚後の自分と子どもの穏やかな生活を守りつつ,どうやって子どもと別れた親との交流を保っていくかを探っていくことになります。保護者としての観点と自分の感情のバランスをはかっていくという難しい作業です。

                                           

                                                 弁護士 辻 祥子

 

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