モラハラの特徴

モラハラの特徴

大川先生

1 まず相手を支配下に置く

モラハラの加害者は自己愛の傾向が強い人が多く,一方の被害者は罪悪感を持ちやすいタイプの人が多いといわれています。
モラハラの加害者は本当の意味で相手を愛することができず,夫婦間のモラハラは,この愛情の欠如によって起こると指摘されています。
モラハラの加害者の社会的な属性はさまざまですが,医師や公務員,政治家など高学歴の方も少なくありません

このような2人の特性の組み合わせが,支配・服従関係を生むベースになります。モラハラの加害者は,言葉による攻撃を効果的に用いることによって,まず相手を支配していきます。

 そして,相手の意見や意向を認めず,相手を知的・精神的に服従させます。被害者の方は,相手に服従しているため,自分の考えを伝えることもできなくなってしまいます。

 しかし,モラハラの被害者はそのような状態に陥っていることを自覚できないでいることが多いです。もちろん,まわりの人が気づくことも少ないです。

2 真のコミュニケーションが成り立たない

 本来のコミュニケーションは相手と意志を通じ合わせるために持たれますが,モラハラの加害者は相手との対話を拒否するためにモラハラ特有のコミュニケーションをとります。

 モラハラの加害者はむしろ言葉を使うのが得意なのですが(言葉のやり取りが激しくなっても冷静に言葉を選べる人も少なくありません),それが歪んだかたちで相手を攻撃する武器として使われます。

ちょっとした嫌みや皮肉,ほのめかしや当てこすりなどを巧みに用います。

モラハラの被害者は,きちんとしたメッセージが受け取れないため,加害者のほんの僅かな言葉やしぐさから,その気持ちを読み取らなければならなくなり,次第にモラハラの加害者のひとつひとつの言動がすべて自分を非難しているかのように思えてきます

3 曖昧な言い方をする

 2とも関連しますが,モラハラの加害者はわざと曖昧な言い方をします。そうしておけば,「そんな意味ではなかった。」と言って巧みに言い逃れができます。

 また,モラハラの被害者が困惑していても,「言わなくてもわかるだろう。」,「自分で考えろ。」といった言い方も好んで使われます

4 モラハラの被害者の抵抗を許さない

 さきほども述べたように,モラハラの加害者は被害者を支配下に置きます。この被害者がその支配から逃れるために抵抗を示すと,加害者は,この支配関係を維持するために,モラハラ的な暴力を強めます。

 モラハラの加害者は,相手が自分の考えを表明することを許さず,侮辱や嘲弄の言葉を巧みに用いて相手を黙らせます。

態度や身ぶり,さらには,中傷や悪口,悪意のあるほのめかしなどの「言葉による冷たい暴力」を実に効果的に利用します。

ひとつひとつをとれば,それほど暴力的ではないのですが,これらを繰り返し用いることによって,相手にダメージを与えることができる暴力をかたち作っていきます。

モラルハラスメントについて

モラルハラスメントとは

モラハラの特徴

モラハラの被害者がとるべき行動

 

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