相手方が会社経営者の方の離婚問題

コラム20190201会社経営者の離婚の場合,サラリーマンや公務員の場合とは異なる問題がいくつかあり,注意が必要です。

預貯金や保険(解約返戻金),有価証券,動産(貴金属,美術品など),自動車,不動産,退職金などが財産分与の対象となり得ることは,サラリーマンや公務員の場合と同様ですが,会社経営者の場合,こうした財産が,様々な形で,またその多くが会社名義で保有されていることがあります。

 

これらが実質的には経営者個人の財産と評価される場合もありますので,会社名義の資産も含めて,資産状況を正確に調査する必要があります。

そこでは,会社の決算報告書を確認することが出発点となります。

なかには節税などの目的から多数の会社を設立しているケースもあり,その場合はいかなる会社にどのような資産が保有されているかを把握することが必要となります。

 

 

 

会社経営者の離婚の財産分与

 

財産分与の割合については,2分の1ずつとするのが原則で,最近では妻が主婦である場合も,この原則が適用されることが多いです。

 

ただし,専門性や特殊な能力・技能によって特に高額の資産が形成されたと認められる場合,この2分の1の原則が必ずしもあてはまらず,その場合には,配偶者に対する財産分与として,資産形成に対する寄与度に応じて,2分の1を下回る割合での分与が認められる場合があります。

 

そこで,相手方が会社経営者である場合,相手方は,配偶者への資産形成に対する寄与度に応じて,2分の1を下回る割合での財産分与がなされるべきだという主張を行うことが考えられます。

 

しかしながら,寄与割合の格差が認められるのは、資格や能力がなくても可能な程度を相当超える資産が形成されたような場合に限られ、資格や能力がなくても可能の程度の資産に留まる場合には,原則どおり2分の1ルールが適用されると考えられます。したがって,実務上,配偶者への財産分与の割合として2分の1を下回る割合が認定されるケースは,必ずしも多くはありません。

 

そこで,相手方が上記のような主張をした場合であっても,財産分与の対象となる財産が資格や能力がなくても可能の程度の蓄財に留まるようなケースでは,2分の1の割合による分与を主張していくことになります。

 

また,資格や能力がなくても可能な程度を相当超える蓄財があると認められるようなケースでも,その財産が,配偶者の献身的な貢献があったことにより形成されたと認められる場合には,配偶者の貢献が寄与割合として考慮されます。そこで,このような事案では,配偶者としてどのように貢献し,その貢献が財産の形成にどのように結びついたのかを,具体的に主張立証できるかがポイントになります。

 

 

会社経営者の婚姻費用や養育費

 

別居中の生活費(婚姻費用)や離婚後の養育費を検討する際に,裁判所が作成した養育費・婚姻費用の算定表が実務でも活用されています。

婚姻費用と養育費のおおよその金額は,この算定表に双方の収入をあてはめて算定されます。話し合いや調停の場でも,この算定表が用いられるのが一般的です。

 

算定表は給与所得者では2000万円までとなっていますが,会社経営の場合,それ以上の収入を得ている高額所得者であることも珍しくありません。
このような算定表にあてはめることができない場合の婚姻費用や養育費の算定方法については様々な考え方があります。また,算定表の上限を僅かに上回る場合もあれば遙かに上回る場合もあります。

同居中の支出状況なども考慮されることが多く,ケースバイケースで考察する必要があります。

 

また,相手方が会社経営者である場合,婚姻費用や養育費の金額を減らすために,収入額を従前よりも低い金額に変更してくることがあります。

 

しかしながら,会社の業績自体に大きな変動がないにも関わらず,会社経営者の収入が大幅に減額することは不自然ですから,会社の業績に変動が乏しい場合は、婚姻費用等の分担を意識して故意に額を低くしていると推認され,収入が減少する以前の収入水準によって婚姻費用や養育費が決定される可能性があります。

そこで,相手方が,以前の収入と比べて明らかに減少した収入を主張してきた場合には,会社の業績の変動に関する資料を提示させることが重要です。

また,会社の業績に応じて実際に会社経営者の収入が大きく変動することもあり得ますが,このような場合には,前年の収入のみを参考とするのではなく,過去数年間の平均収入額を基準に婚姻費用や養育費を算定することが適切であるといえます。

 

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