熟年のための離婚相談
熟年離婚
「熟年」の定義はあいまいですが,40代,50代そして60代,さらには70代の離婚も少なくありません。婚姻期間が長くなるにつれて夫婦のあいだで価値観のズレが大きくなり、夫婦の関係がもろく危うくなっているケースは意外と多いです。
また、かなり早い時期に離婚を意識したものの、子どもが独立するまでは離婚を思いとどまっていたというケースもあります。
熟年離婚は、人生の貴重な時間をどのようにすごすかを真剣に考えた末の一つの選択肢なのです。
1.熟年離婚の注意点
離婚後の生活が成り立つかを見極める際にポイントとなるのは、次の3点です。
①自分の収入(給与、年金など)
②離婚時に相手から受け取る金銭の額(財産分与、慰謝料など)
③住居の確保
この3つについて、具体的な金額等を想定して(リアルに)、自分が本当にそれで生活していけるのか(シビアに)検討する必要があります。
2.熟年離婚における財産分与の重要性
熟年離婚では、年齢的に将来の収入が限られる可能性が高いため、離婚に伴う財産分与が非常に重要なポイントとなります。
財産分与とは、夫婦が婚姻中に形成した財産を離婚の際に分ける制度です。特に専業主婦やパート勤務が長かった方は、年金分割や退職金の扱いも含めて、適切な財産分与を受けることが離婚後の生活の安定につながります。
財産分与のためには、その対象となる財産をもれなく把握し、それらを適正に評価する必要があります。
しかしながら、熟年離婚では婚姻期間が長いため、夫婦で形成した財産が多岐にわたり複雑になりがちです。相手が保有している財産について正確に把握していなかったり、婚前に保有していた財産(財産分与の対象外)と婚姻後に形成された財産の区別が曖昧になってしまっていることもあります。
こうした背景から、熟年離婚の財産分与は複雑になる傾向があり、専門家のサポートのもと財産を正確に把握し評価することが求められます。
3.熟年離婚の特徴
(1)子どもに関して
(2)退職金・年金
熟年離婚は退職時期と重なることが多く、退職金や年金など、老後資金を含めた財産分与の取り扱いが大きな論点となります。
退職金は離婚時にまだ支給されていない場合でも、将来得られる財産として分与の対象となる場合があるため注意が必要です。
どのような場合に退職金が財産分与の対象になるか否かは、将来の退職時に退職金が支払われる可能性の有無により決まります。
退職金が支払われる可能性は、離婚時から退職までの年数、勤務先の属性(公務員or私企業、大企業or中小企業)等を考慮して判断されます。
(3)婚姻費用
婚姻費用(生活費の分担)については、離婚協議中でも離婚が成立するまでは支払い義務があります。
もっとも、退職後に収入が減少すると、支払額が減る可能性もある点に留意する必要があります。
(4)サポーターの重要性
熟年離婚は、これから老後を迎えるというタイミングの離婚なので、経済的な面だけでなく精神面でも不安になりがちです。
若い頃とは異なり、一度落ち込んでしまうと心身ともに回復が難しい年頃でもあります。
独りで乗り越えようと無理をすることなく、手続や相手との交渉を任せることができる専門家、話を聞いてくれる友人、状況を理解し味方をしてくれる親族(兄弟姉妹、子、孫)など周囲のサポートを得ることが熟年離婚では特に大切です。
4.熟年離婚を弁護士に依頼するメリット
熟年離婚は、長年続けてきた生活に大きな変化をもたらすものなので、夫にとっても妻にとっても一大事です。
そのため、「話し合いに踏み出せない」「相手が協議に応じない」といったケースも多く精神的負担が少なくありません。
弁護士に依頼すれば、相手との交渉を代行してもらえるため、相手と直接接触する必要はなくなります。離婚調停や離婚訴訟に発展した場合も、裁判所における手続を弁護士に任せることができます。
また、財産分与が複雑になりやすい熟年離婚では、弁護士による法的な調査と交渉が有効です。婚姻期間が長く、財産が大きい場合、不動産の名義や退職金、年金分割の取り扱いをめぐって複雑な計算や法的判断が必要になります。
加えて、高収入の配偶者が経済的な情報を開示しない場合、弁護士を通じて資料の開示請求や調停や裁判における調査嘱託等の手段を講じることができます。自分の見込みだけで判断せず、専門家とともに「どれだけ得られるのか」「その金額で老後が成り立つか」といった視点で冷静に検討することが、後悔しない離婚の第一歩となります。
5.熟年離婚に関する特徴的な解決事例
・離婚請求が判決で二度棄却されていた有責配偶者が協議離婚することができた事例【離婚解決事例39】
・離婚を求める有責配偶者から極めて有利な経済条件を引き出した事例【離婚解決事例55】
6. 熟年離婚を依頼する場合の弁護士費用
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