コラム 182 18歳成年と養育費 2019/01/11

 

 

 

2022年4月から,成年年齢が18歳に引き下げられます。
それによって養育費をしはらう期間はどのように変わるのでしょうか?

 

養育費支払の終期は,法律では具体的に定められておらず,個別具体的な事情に鑑みて定めることになります。当事者間の協議で決める場合は,「満20歳まで」,もしくは大学卒業予定である「22歳の3月まで」と定めることが多いです。裁判や審判で裁判所が決める場合は,一部の例外はありますが,原則として「満20歳まで」と決められます。

 

では,成年年齢が18歳になった場合,養育費の支払も18歳までに変更されるのでしょうか?

 

この点について,法務省は,「取り決めがなされた時点では成年年齢が20歳であったことからすると,成年年齢が引き下げられたとしても,従来どおり20歳まで養育費の支払い義務を負うことになると考えられる」という見解を示しています。
(法務省HP「成年年齢の引き下げに伴う養育費取り決めへの影響について」http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00230.html)

 

では,成年年齢が18歳に引き下げられた後,養育費の支払の終期はどのようになるでしょうか?裁判所が養育費を決める場合,成年年齢である「18歳まで」となるのでしょうか?

この点については,裁判所は現時点では何の言及もしていませんが,裁判所が養育費の支払時期を「18歳まで」とすることはないだろうと考えています。

高校への進学率が90%を超える日本では,「18歳」の誕生日を迎える時点で大部分はまだ高校生です。経済的自立がまだ不可能な時点で養育費の支払いがなくなってしまうような事態を裁判所が認めるとは考えにくいです。

私としては,「18歳の3月まで」(高校卒業まで)と「22歳の3月まで」(4年制の大学卒業まで)のいずれかを,個々の事情(父母の学歴,子どもの年齢,子どもの希望など)を勘案して採用していくのではないかと考えています。

                                           

                                                 弁護士 辻 祥子

 

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