【離婚に関するご質問1~5】

Q1 .3年間別居したら離婚できると聞きましたが,本当ですか?

A.相談に来られる方で,3年間別居したら確実に離婚できるとインターネットでみたという方が意外といらっしゃいます。
しかし,別居が3年間続くことを離婚事由とする法律の規定もなければ判例もありません(外国にはそのような離婚法もありますが)。
実際には,別居から3年経過していても判決で離婚が認められないこともありえますし,反対に,3年経過していなくても離婚が認められることもありえます。
つまり,別居の長期化は婚姻関係破綻のひとつの事情にすぎません。相手方が争っていても判決で離婚が認められるか否かは,他の事情との兼ね合いによって決まってくるわけです。
したがって,どのタイミングで離婚訴訟を提起するかは慎重に判断しなければなりません。その見極めが難しいときは,訴訟を回避して,調停や協議での離婚を模索する必要があります。

 

 

Q2 .先に離婚を求めた側が不利になる(慰謝料を支払わないと離婚できないなど)と聞きましたが,本当ですか?

A.必ずしもそうではありません。慰謝料を支払う義務が法的に発生するのは不法行為が成立する場合に限られます(多くの離婚のケースでは発生しないといえます)。

ただ,一方が早く離婚したいと思っているが他方がそうでもないときは,早く離婚したい側が譲歩しないとなかなか離婚できないため,協議や調停,訴訟上の和解といった局面では,不利な条件での離婚を余儀なくされることはあります。そこでは,慰謝料,解決金,財産分与など名目はいろいろですが,法的には支払う義務がない金員を支払う格好になることも珍しくありません。
婚姻費用の支払いが続くことが負担である,早く再婚したい,こんな配偶者とは一刻も早く離婚したいなどといった思いから,いち早く離婚したい側が条件面では不利になりうるということですね。その場合は,速やかに離婚できるというメリットと天秤にかけて検討する必要があります。
先に離婚を切り出すと不利になるとの思いが強すぎると,いたずらに時間ばかりが過ぎていきますから,早く離婚したいというのであれば,どこかで自分から「仕掛けていく」必要があります。

 

 

Q3 .当事者同士では話し合いができそうにないので,親にも協議に参加してもらった方が良いでしょうか?

A.「親次第」です。親が介入することによって,速やかに協議がととのうケースもあれば,むしろ錯綜してしまうケースもあります。

実際にどちらのケースも数多く見聞しています。

ただ,親が,離婚した方が二人とも幸せになれる,相手の言い分も聞いてみよう,(自分の側が)譲歩すべき点は譲歩する,というように,「一歩引いた」スタンスで協議に臨めるようであれば,頼もしい「仲介者」になりえます。
しかし,得てして自分の子の方を持ちがちですので(当然と言えば当然ですが),単なる代理戦争におちいる危険もあります。断りにくいでしょうが,いったん間に入ってもらっても,うまく進まない時は速やかに身を引いてもらう決断も必要です。

 

 

Q4 .夫(妻)から離婚したいと言われましたが,離婚しないといけないのでしょうか?

夫(妻)が性格不一致を理由に離婚したいと言ってきました。私が拒否すると「調停を申し立てる」と一層強く離婚を迫ってきました。私は離婚したくないのですが,離婚しないといけないのでしょうか?A.基本的に離婚は夫婦のいずれか一方が拒否をすればできません。

これは,調停でも同じことです。調停でも一方が「離婚したくない」と言えば強制的に離婚させられることはありません。

ただ裁判の場合は事情が異なります。裁判では,夫婦の一方が「離婚したくない」と主張しても,一定の場合(離婚事由と言います)には裁判所が離婚を言い渡します。

裁判所が離婚を認める離婚事由は法律に規定してあります。具体的には①不貞行為,②悪意の遺棄,③3年以上の生死不明,④強度の精神病,⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由と定められています。

これらの離婚事由がない場合には,例え一方が離婚を求めて裁判を起こしたとしても他方が拒絶している以上は,裁判所は離婚を認めません。

 

 

Q5.夫(妻)が不貞行為をしました。離婚はしたくないが慰謝料請求はできますか?

夫がある女性と2年間不貞関係を持っていたことが判明しました。色々な事情から離婚する気はありませんが,夫や不貞行為の相手女性に慰謝料請求はしたいと思います。離婚しなくても慰謝料請求はできますか?A.離婚しなくても慰謝料請求は可能です。

もっとも,慰謝料の金額は離婚した場合を比べて低くなります。

不貞行為により離婚をした場合の慰謝料は,不貞行為による精神的苦痛だけでなく不貞行為が原因で家庭が壊れてしまったことによる精神的苦痛も考慮されるため,離婚をしていない場合と比べて金額が高くなります。

 

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