長距離通勤の離婚リスク 2017/1/25

 

コラム110

外国の大学の調査で,夫婦の一方または双方が片道45分以上の長距離通勤をしている夫婦は,そうでない夫婦よりも,40%も離婚のリスクが高い,という研究結果が発表されています。

ただし、このような長距離通勤を5年以上続けている場合は,この数字があてはまらず,また,結婚した時点ですでに長距離通勤をしていた場合も,やはりこの数字があてはまらない,ということでした。

この「ただし書き」も合わせれば,納得できる気がします。
ここから浮かび上がってくるのは,結婚後に,一方または双方の通勤時間が長くなった場合の離婚リスクです。
通勤時間が長くなることによって家事や育児の負担のバランスも変化するため,負担が増えた方が不満を蓄積しやすいことが考えられます。
また,物理的に,夫婦でともに過ごす時間も減り,コミュニケーションも少なくなるようなことがあれば,夫婦の間に少しずつ溝ができて,その溝が次第に大きくなっていくことも考えられます。

もともと長距離通勤であれば,それを前提として家事などの負担も想定されていたでしょうし,また,それを前提とした夫婦のコミュニケーションが確立していたと考えられます。
そして,5年も経てば,その間に,これらの課題をふたりで克服することができたと考えられます。

マイホームを買うかどうか,どこに住むか,二世帯住宅にするかどうかなど,住居をめぐって夫婦の関係が新たな局面を迎えることが少なくありません。
十分な相談・議論がないままにこういったことを決めてしまうと,そこから思わぬほころびができることがありますので,ご注意を。

弁護士 大川 浩介

 

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