コラム 157 面会交流年間100日-最高裁の判断- 2017/7/18

 

コラム112で大川弁護士が取り上げていた9歳の長女の親権を巡る裁判についての最高裁決定が7月14日にありました。
(大川弁護士のコラムはこちら)

 

この裁判は,夫婦の別居によって子どもと離れて生活をする夫が,「自分が親権者となったら妻と子の面会交流を年間100日程度は設ける」と提案をして長女の親権を争っていました。
第一審の千葉家裁松戸支部は,夫を親権者に指定しました。
これに対し,第二審の東京高裁は,妻を親権者に指定しました。
夫が最高裁判所に上告しましたが,最高裁は夫の上告を退ける決定をしました。
これにより,妻を親権者とする東京高裁の判決が確定しました。

 

妻を親権者とする高裁判決が確定したので,長女は,引き続き妻のもとで生活をしていくことになります。

一方,これは仮定の話になってしまうのですが,仮に,夫を親権者としているするという判断が下されそれが確定していたような場合にはどうなったのでしょうか?
夫は,自分を親権者と指定することを求めると同時に,長女を自分に引き渡すことも求めていました。
判決確定後,妻が判決にしたがって長女を引き渡さない場合,夫は強制執行を申し立てることになります。
子の引渡の強制執行です。
子の引渡の強制執行は,直接強制の方法をとる場合,裁判所の執行官が直接子どものもとに赴き,子の意思を確認して,子を連れて行きます。もっとも,その際に子が拒否をすれば,執行官は無理矢理連れて行くことはできません。

 

この裁判のケースで,長女は父親とは数年間会っていません。
仮に執行官が長女のもとに来たとしても,長女が父親のもとに行くことを受け入れない可能性は大いにあります。

 

この裁判のニュースを聞くと,仮に夫を親権者とする判決が確定していたら,その後はどうなっていただろう,と考えてしまいます。

                                            

                                                   弁護士 辻 祥子

 

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