コラム 165 調停離婚が成立しても実感が湧かない!? 2017/8/29

この記事を読むのに必要な時間は約3分2秒です。
 

離婚調停が成立した後,依頼人と一緒に調停室をあとにして裁判所の廊下を歩きながら,次のような会話をすることがよくあります。

「調停が成立しましたのでこの時点で既に法的には離婚が成立していますが,その実感はありますか。」

「いいえ。全然ピンと来ないです。」

「そうですよね。裁判官が来て調停の内容を読み上げられただけでは,なかなか実感は湧いてこないですよね。」

「そうなんです。てっきり何かに署名とか押印とかするのかと思っていました。最後は,何かあっけないですね・・・。」

 

離婚で調停が成立した場合も,役所には離婚の届出が必要です(もっとも,当事者のいずれか一方の署名押印で足ります)。

ただ,それは「報告的届出」と言われていて,調停で成立した離婚を報告的に届け出るだけのことで,調停が成立した時点で離婚自体も成立しています。

 

離婚が成立したという実感が,成立した調停の場で湧くことは稀です。

調停の回数が10回を超えてようやく離婚が成立した,何年もかかってやっと離婚できた,といった場合でも,調停が成立する瞬間は,呆気ないと言えば呆気ないもので,ご本人としては調停成立という結果を実感できないことが多いです。

調停成立後にまわりの人に話をしたり,離婚の届出をしたり,いろいろと手続きをするなかで,徐々に離婚が成立したことを現実のこととして受けとめることになります。

 

このようになかなか実感が湧かない要因として,調停成立の瞬間が「受け身」であることが挙げられると思います。

調停の内容(「調停条項」と言います)を裁判官が読み上げますが,ご本人はそれを聞いて確認するだけです。

この内容で問題がないかと裁判官から問われても,何か少し尋ねたりすることもありますが,多くは「はい。」と答えるだけです。

離婚成立に相応しい,何か象徴的な行為を自ら能動的に行うわけではないため,実感が湧きにくいと言えます。

せめて手続的に裁判所のなかで何かサインするようなことがあれば,少しは受けとめ方も変わることでしょう(ただ,離婚の調停だけそのような手続きを設けることは難しそうです)。

 

ちなみに代理人は調停が成立した瞬間に離婚が成立したことをリアルに感じています。

このあたりも,ご本人と代理人とではずいぶんと受けとめ方が違うように思われます。

                                            

                                                   弁護士 大川 浩介

 

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