コラム 173 離婚した相手の幸せを願っていますか?! 2017/11/10

「私はかつてつき合った男性すべてといつでも連絡が取れますし、その人たちの幸せを願い続けています。」

 

NHKの大河ドラマ「篤姫」や「江」などの脚本を手がけた田渕久美子さんのインタビューでの発言です。

田渕さんには離婚経験がありますが,その元夫も例外ではありません。

 

田渕さんは,次のようにも仰っています。

「男は替えていい。なぜなら人は成長する生き物だから。いつか互いが合わないと感じることがあるのは当然です。でも、だからこそ、別れ方を大切にしてほしい。一度は一緒にいたいと思った人ならばこそ、その人の幸せを願える度量を持ってほしいのです。」

 

「別れ方を大切にしてほしい」というメッセージには強く共感します。

 

一切の妥協・譲歩をしない,経済面では一円でも多く勝ち取る(あるいは一円でも少ない金額しか渡さない),その他の条件でも向こうが求めるものは全て拒否する・・・。そのような心情になっている方は少なくありません。

 

代理人として離婚事件に介入する場合,感情的・攻撃的になっている依頼者の感情に忠実に沿って行動する弁護士もいます。

 

しかし,ご本人も代理人も,そのような姿勢で臨むと,相手もそうなりがちですし,紛争は長期化します。

「高葛藤状態」と言いますが,やり合うなかで,更に感情的・攻撃的になるというスパイラルにはまります。

そのようななかで,子どもやキャリア,自分の時間,心の平穏,そのような様々なものが犠牲になります。

「ノックアウト勝ち」が本当の勝利であるとは限りません。

 

「その人の幸せ」まで願えなくとも,自分のために「別れ方を大切」にしたいです。

絶対に譲るべきでないところは譲りませんが,そうでないところは互いに譲り合うことができれば,生産的・発展的な解決も見えてきます。

 

ラグビーでは,試合終了時に吹かれるホイッスルのことを「ノーサイド」と言います。

「試合が終われば,勝利のサイドも,敗北のサイドもない」という精神です。

互いに主張すべき点は主張するが,不必要に相手を攻撃せず,最後は互いに譲歩し合って解決を図りたいです。

現実には難しいことですが,理想としては掲げておきたいものです。

 

                                            

                                                   弁護士 大川 浩介

 

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