コラム 191 配偶者の不貞相手に離婚の慰謝料請求はできない…?!最高裁判決 その② 2019/04/01

 

 

コラム20190401

2019年2月19日,最高裁が,配偶者の不貞相手に対する離婚の慰謝料請求を否定するという判決をしました。
この判決に関するコラム189の続きです。

 

今回の判決の事案では確かに「離婚は夫婦の問題でしょ」という最高裁の考えも頷けるところがあります。
ただ,次のようなケースではどうでしょうか?

 

①不貞関係が発覚した後も不貞関係を継続させ離婚に至った場合
②不貞関係が発覚した後も不貞関係を継続させ,更に不貞相手との間に子が誕生して離婚に至った場合

 

不貞関係が発覚した後も不貞関係を解消することなく継続したら,夫婦関係が破綻し離婚に至る蓋然性が高いことは誰もが認識可能です。ましてや不貞相手との間に子どもが誕生したような場合には,夫婦関係が破綻し離婚に至る蓋然性は更に高くなります。

 

この点,今回の最高裁の判決でも,例外的に不貞相手に対し離婚の慰謝料請求が認められる場合があるとしていますが,どのような場合が例外にあたるかついては,「単に夫婦の一方との間で不貞行為におよぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情がある場合に限られる」と述べており,極めて限られた場合だけです。

 

今回の最高裁判決の枠組みによると,上記の②のようなケースであっても,「離婚させることを意図して…」とまでは言えず離婚の慰謝料請求が認められない,といったことが起こり得ます。

 

なんだか納得いかないような気もします。

 

ただ,配偶者の不貞相手に対する離婚の慰謝料請求は認められなくても,不貞行為に対する慰謝料請求は認められます。そして,配偶者に不貞行為が発覚した後も関係を継続したことや,不貞相手との間に子が誕生したことなどは,当然慰謝料の金額に反映されるので,慰謝料の金額としては離婚の慰謝料請求の場合に近い金額になってくるだろうと思います。

 

そう考えると,今回の最高裁の判例の枠組みでも,極端に不合理な結論には至らないのかな,と考えています。

                                           

                                                 弁護士 辻 祥子

 

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