自宅不動産の名義に義父母が加わることのリスク 2023/03/28

この記事を読むのに必要な時間は約3分46秒です。
 

 

コラム220

 

自宅の土地・建物の名義に夫(妻)の親が入っているケースをみかけることがあります。

 

二世帯住宅にして同居することもあれば、そうではないこともあります。

よくあるのは、義父母名義の土地に建物を新たに建てることによって、このような権利関係になるパターンです。

 

建物の建築費用のために住宅ローンを組み、建物と土地に抵当権を設定することが多いです。

 

婚姻関係がうまく行っているあいだは結構なのですが、いざ離婚となると、このように義父母の名義が入っていることで解決がとてつもなく難しくなることがあります。

 

子どもの有無、不動産の有無で、離婚することの大変さがずいぶんと違ってきますが、不動産に義父母の名義に入っていると一気に難易度が上がることがあります。

 

離婚する場合、自宅不動産をどうするかも決めなければなりません。どちらかがキープすることもあれば、売却することもあります。

 

まず、売却する場合を考えてみましょう。

 

住宅ローンがある不動産を売却するためには原則として住宅ローンを完済する必要があります。

 

売却代金をこのローン返済に充てることが多いのですが、不動産に義父母の名義が入っていると、義父母と共同で売却することになります。

 

たとえば義父母名義の土地も売却して、その売却代金も住宅ローンの返済に充てなければ完済できないケースもあります。

 

しかし、義父母は住宅ローンを負っているわけではないので、義父母にいわば借金をすることになります。

住宅ローンはたっぷりと残っていても、建物は高くは売れないため、1000万円単位の借金となることもあります。

 

離婚するわけですから、義父母とも良い関係ではないこともあり、この借金をどうするかで揉めることになります。

そのため、事実上、売却できないケースもあります。

 

つぎに、売却しない場合です。

 

たとえば土地が妻の親名義、建物が夫名義の場合、離婚して建物の名義を妻に変えることができれば権利関係の「ねじれ」が解消できます。

 

しかし、夫名義の住宅ローンが多く残っているような場合は、妻がローンを引き継ぐことができないため、妻に名義を変えることができないケースもあります。

そうすると、土地は妻の親名義、建物は夫名義のままにせざるを得ないこともあり得ます。

 

この家に誰がどのような条件で住むかも難問ですし、さらには、妻の親が亡くなって相続が発生すると、再び妻も「登場」することになり、厄介な事態となります。

 

したがって、いずれ離婚となる可能性が少しでも感じられる場合は、自宅不動産の名義に義父母を加えることには慎重になった方がよいと言えます。

 

もっとも、ここで難色を示すことによって夫婦の間に亀裂が入るリスクもあるのかもしれません・・・。

                                                弁護士 大川 浩介

 

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