コラム 164 離婚調停が成立しても離婚の届出が必要なのですが・・・ 2017/8/9

この記事を読むのに必要な時間は約3分46秒です。
 

離婚調停が成立した瞬間に法的には離婚が成立します。

しかし,その瞬間に戸籍が書き換えられるわけではなく,戸籍に離婚が反映されるためには,離婚の届出が必要です。

 

もっとも,協議離婚と違って,相手方の署名押印や証人などは不要です。

所要事項を記入する必要がありますが,署名押印は届出をする人だけで足ります。

その代わりに,届出の際に裁判所から受け取る調停調書謄本という書類を提出します。

 

しかし,この調停調書が離婚調停の成立日に家裁で受け取れるかというと,それには数日要することが大原則です。

それなのに,調停成立の日から10日以内に離婚の届出をしなければなりません。

代理人弁護士が入っている場合は,いったん代理人事務所のもとに郵送されてきて,さらにそこからご本人のもとに郵送されるようなことになれば,届いて間もなく,この届出期限を迎えることも珍しくありません。

なお,当日もこの10日以内に含めますので,たとえば,調停が8月10日に成立すれば8月19日までに届出をしなければなりません。

ただし,その最終日が休日の場合は翌開庁日までとされていますし,また,この期限を徒過したからと言って届出ができないわけではありません。

 

したがって,「調停が成立した日に離婚の届出ができない」のが大原則となります。

もっとも,何事にも例外があるもので,調停調書の即日交付が受けられることもあります。

「ただただ早く届出をしたいから。」といった理由では裁判所は応じてくれないかもしれませんが,即日交付の合理的な必要性を説明することによって即日交付が叶うこともあり得ると思われます。

 

もっとも,そのためには調停条項が事前に確定している必要があり,複雑な調停条項となっている場合はそれなりの下準備の協業が裁判所と当事者双方(の代理人)との間で求められます。

先日私も経験したのですが,それなりの手間と緊迫感を伴う作業でした。

そのケースでは,離婚成立日に金融機関との関係で調停調書が必要であったという事情があり,この日に離婚の届出をする必要は必ずしもなかったのですが,実際には当日に届出もなされました。

この調停成立日当日に離婚の届出もなされるというのは,何となく,望ましいというか,自然なことのように私には感じられました。

 

離婚の届出には離婚が成立したことと親権者の指定さえあればよいわけですから,調停調書とは別に,もう少し簡易な形式の「調停成立証明書」のようなものが,せめて遅くとも調停成立の数十分後くらいには発行されるような運用にできないものかと,ふと思いました。

調停が成立すると言っても何か当事者がサインするわけでもなく,なかなか実感を伴わないのが一般的です(代理人弁護士はそうでもありませんが・・・)。

この離婚調停成立日に離婚の届出までなされれば,もう少し当事者の方は離婚成立の実感が湧くことになるかもしれません。

 

 

                                                                                                                                                         弁護士 大川 浩介

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