裁判における慰謝料の認定-裁判官によって違い,あるんです- 2017/6/9

 

離婚の相談時に「慰謝料いくらぐらいになります?」という質問を受けることがよくあります。

そのような時は裁判となった場合に裁判所が認定するであろうおおよその慰謝料金額をお答えしますが,離婚事件の場合,けっこう裁判官の個性によって左右されると実感しています。

離婚原因の中でも不貞の場合は,裁判官による金額の差異は比較的少ないです。
しかし,その他の事由になってくると慰謝料の金額のみならず,慰謝料を認めるか否かといった次元でも裁判官の個性が色濃く反映されています。

 

以前,ある裁判所に簡単に慰謝料を認める裁判官がいて「性格の不一致」に類する離婚原因でめぼしい証拠もないままスルスルと慰謝料を認めていました(内心「そんな簡単に認めていいのか??」と心配になったくらいです)。

 

一方で,慰謝料の認定には厳しい裁判官もいます。いかにも分かりやすい主張や証拠がない限り慰謝料を認めないタイプです。

 

まあ,このように極端な裁判官ばかりではないので,たいていは想定内の認定に落ち着くのですが,それでも慰謝料に関しては判決内容を聞くまでは何が起こるか分からない…という緊張感を常にもっています。

                                                     弁護士 辻 祥子

 

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