女性が離婚を考えたとき、まず一番に考えて頂きたいのは、「離婚後の生活費をどうするか」ということです。

夫と同額もしくはそれに近い収入を得ていた人はともかく、主として夫の収入で生活をしていた場合は、離婚を考えたときは、まず、「離婚後の生活費をどうするか」を考えて頂きたいと思います。

相談にお越しになる中で、強く離婚を希望しているものの、事情をおうかがいする限り、離婚後の生活費の目途をまったく立てていらっしゃらない場合があります。

離婚後の生活が気になり、どのように生計を立てる予定かを確認すると、

「当面生活できる慰謝料が欲しいです」「財産分与でなんとかなると思います」 とおっしゃるので

慰謝料が発生するケースかどうか、発生する場合の見込み額、財産分与の見込み額等を伝え、現時点で離婚を選択することがご自身の幸せにつながるかを検討する必要があることをお伝えします。

もちろん、最後に決断するのはご本人です。

ただ、離婚というのは、これまで拠っていた経済的基盤に劇的な変化をもたらすものであるので、離婚後の生活費の見通しをたてて、必要な準備をしてから一歩を踏み出して頂きたいと思っています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弁護士 辻　祥子