重篤な産後うつにかかり,別居後に交替監護をしていたなかで幼児の親権を取得できた事例【離婚解決事例33】

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40代の夫婦で,妻が依頼者。

 

別居後,保育園児である長女を一週間毎に交替して監護するなかで,親権について折り合いがつかなったため,調停も不成立となり,妻が離婚訴訟を提起することとなった。

 

妻は重篤な産後うつに罹り,精神的に不安定となって,長女の養育が困難を伴う場面もあり,時には夫に暴言を加えるようなこともあった。

別居後は,産後うつこそ克服できたものの,妻は適応障害との診断を受けるに至った。

夫は妻には親権者としての適格性に関わる精神疾患があると主張して,親権を争うとともに,反訴を提起して離婚慰謝料を請求してきた。

 

尋問そして調査官調査を経て,第一審では,妻を親権者とすること,夫の慰謝料請求をしりぞける判決がくだされた。

夫が控訴したが,控訴審で,面会交流や財産分与についての取りきめをして妻を親権者とする訴訟上の和解が成立した。

 

コメント

 

別居後は交替監護を続けており,同居中は妻が深刻な産後うつに悩まされ,また,夫も監護に携わっていたことから,親権が激しく争われることになりました。

 

別居後の交替監護における監護状況には遜色がないと評価されたものの,同居中の監護実績を丹念に主張立証したことに加え,妻の主治医の意見なども奏功して,親権を得ることができました。

 

産後うつが重篤化した結果,離婚問題に発展して親権を失ってしまうケースもあります。

子どもを産んで大変な思いをした果てに,その子どもと引き離されてしまう悲しみは筆舌に尽くしがたいものがあります。

 

本件では,元々精神疾患などなくとも産後うつが重篤化し得ること,産後うつ下でも子どもの監護に努めてきたことなどが認められました。

もちろん親権者の指定は種々の事情から総合的になされるべきものですが,産後うつに対する偏見や誤解ゆえに親権の帰趨に影響が出るようなことは是が非でも避けたいところです。

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