1審の判決では離婚が否定されたが、高裁で妻が自宅を取得して2億円弱の財産分与を受ける条件で和解離婚が成立した事例【離婚解決事例67】

 

依頼者は70代の妻で、訴訟の途中から前任者と交替するかたちで受任。


夫は婚姻前からの家業(株式会社)を多店舗展開して事業を拡大させ(増資によって株式も増えている)、現在は夫婦間の子が代表者となって、夫は会長職にある。妻が離婚を求めるも夫が拒否したため離婚調停は不成立となり訴訟へと移行した。

 

離婚自体も争いがあるなかで、自宅不動産をどちらが取得するか、妻が取得する場合に夫の退去の猶予の条件などで折り合いがつかず、解決は判決に委ねられることとなった。

 

家裁ではそもそも離婚請求が棄却されたため、控訴することとなった。

控訴審では、一転して離婚を認容する心証が裁判官によって示され、その後は離婚条件について協議を重ね、最終的には、妻が自宅不動産を取得するとともに2億万円弱の支払を受ける(妻名義の株式は夫に譲渡することとなった)ことで和解が成立した。

 

コメント

 

受任するまでは、前任者のもとで、年単位で夫が居住を継続することを認めるうえに退去の条件も不明確な内容で和解の協議が進められました。

 

同居を続けることができない依頼者は到底納得できず、判決を仰ぐことになりましたが、家庭裁判所は離婚事由がないとして離婚請求を棄却しました。

 

婚姻期間は40年以上に及ぶにもかからず、依頼者が離婚を求めてから判決まで2年ほどしか経過していませんでした。

同居が続いていて、80歳を過ぎた夫に退去を迫りにくいといった事情も影響したと思われます。

 

しかし、控訴審では、離婚を求めるまでの経緯や、その後の経過を新たな証拠も提出しつつ主張した結果、高裁の裁判官は離婚事由があるとの心証を抱くことになりました。

 

そこで、離婚条件の調整に入り、夫が離婚から2か月ほどで退去すること(子どもが協力することになりました)、財産分与として合計で2億円弱を支払うことなどで合意に至り、和解によって離婚が成立しました。

財産分与についても難しい論点がありましたが、依頼者の主張を前提とする条件に落ち着きました。

 

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